“毛主席万歳!”などのスローガンが残ったままの工場跡に、先鋭的な絵画
が並ぶ。
芸術の街・北京の新しい流行発信地として国内外から注目を集めるように
なった大山子798芸術区は、1950年代に中国解放軍がソ連旧東ドイツに
軍事品の生産を目的に提供した“798工場”を改築し、5年ほど前から芸術
家のアトリエやギャラリーが建てられるようになりました。今現在もギャラリー
などの数は増え続け、幾たびに新しい発見がある場所です。海外から訪れる
欧米人も多く、敷地内のカフェは皆ハイレベル。中でも今回訪れた「VINCENT
CAFE」北京季節珈琲店」は、実際この芸術区内で働く東京画廊の金島さんが
太鼓判を押すピカイチのお店です。
レンガ造りのお店に一歩足を踏み入れると、茶色と緑の落ち着いた空間に、大きな窓から柔らかい日差しが降り注いでいました。こちらのオーナーは15歳から食の道に進んだフランス人、お昼は本格的な食事が楽しめるカフェとして、また夜はバーとして、車で遠方から駆けつける人も多い人気店です。メニューは写真も多く、英語の表記もされているので、中国語が分からなくても安心です。私たちは、お店の看板メニュー、フランス式クレープ・ガレットを中心にオーダーすることにしました。
ガレットは、フランス北西部のブルタ−ニュ地方で広く親しまれているソバ粉を使ったクレープの事で、卵やチーズ、ハムなどの具を中に入れ食事として楽しむ、ボリュームのある一品です。ソバには、ビタミンB1、B2、食物繊維、ルチンなどの成分が多く含まれ、脳卒中や高血圧、糖尿病、老化予防の効果があるといわれており、日本でも表参道などに専門店が登場するなど徐々に浸透していますが、こちらはその注目のガレットを楽しめる、北京では数少ないお店です。今回は、金島氏がいつも注文するという「ノルウエー(35元)」と「漁夫 フィッシャーマン(35元)」の2品を注文しました。
「ノルウエー」はサーモン、ほうれん草、クリームチーズが入っており、塩味のきいたあっさり味。アツアツサクサクのクレープ生地は、仕上げに塗られる塩入りバタ−の香ばしい香りが漂っています。北京では、脂ののった美味しいサーモンを頂くことができますが(お鮨のネタでも中国人にはサーモンが一番人気です)、ガレットの中にもその脂の乗ったサーモンがたっぷり入っています。
一方の「フィシャーマン」の具は、小エビ、たまねぎ、白ワインの3種類で、白ワインがまろやかな深い味わいを引き出しています。とろりとした中身とサクサクのクレープ生地の相性も抜群な、ボリューム感のある一品です。また全てのガレットには、グリーンサラダ(結構な量があります)が付くのも嬉しいところです。
デザートにも、バナナ、アイスクリーム、チョコレートが入ったガレット(35元)を注文しました。熱々のクレープ生地の上でアイスクリームが溶け出す瞬間を待って、一気に口の中へ。北京でバニラアイスクリームというと、安っぽい味がすることも多いのですが、こちらは安心です。サクサクぱりぱりした軽い食感で、これまで食べ慣れてきた“小麦粉”のクレープよりも、すっと頂けるのではないでしょうか。コーヒーも注文しましたが、こちらも種類が多く20種以上(カプチーノ22元 レギュラー珈琲15元)。豆から挽いた、しっかりと深い味わい、そして香りを存分に楽しむ事ができます。
この他、チキンカレー(30元 スープ付)、ピザ、スパゲティミートソース(40元前後)、そして週末にはムール貝(50元・金曜)、チーズフォンドュ(70元・土日)などの特別メニューが加わり、またお酒の種類も幅広く揃っています。営業時間もお昼から夜中までと長いので、様々な用途に合わせて利用できるのではないでしょうか。
それでは、今回わたくし吉川すみのお薦めする「幸せな一品」は・・・・

ガレット「ノルウエー(35元)」です。あっさりとした塩味のさくさくクレープ生地と、とろけるクリームチーズに包まれた具の相性もばっちりです。あぁ、今思い出しても又食べたい。
ガレットの値段は15元から35元(220円〜500円)。ハム・チーズ・卵など代表的なものは26元と、手ごろな値段で本格的な味を楽しむ事ができます。この週末は現代アートとガレットを楽しみに、大山子798芸術区を訪ねてみてはいかがでしょうか。
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